カナダ移住4年経って5年目突入、一気に振り返り その2 – 私たちに起きた変化諸々

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移住を決意したとき、これから先どのような生活が待っているのか様々な期待や想像を巡らせました。四年半が過ぎ、移住生活「想像と違って」こうだったとか、「想像どおり(以上に?)」こうだったと感じることもたくさんあります。前回の振り返り記事に続き、今回はこの四年半で私たちが感じたあれこれと、自分たちに起きた変化あれこれを書きたいと思います。

カナダ生活、想像と違って・・・

さっそく、カナダ生活「思ってたの違って…」シリーズから!

  1. 意外と冬も乗り切れる、そして夏はかなり暑い:カナダといえば、まず想像するのが極寒の冬。特に関東育ちで雪に慣れない夫は、カナダの冬生き残れるのか心配していました。でも、5回目の冬、夫曰く「意外と生きていける。」確かに氷点下10度を下回ることも多く、積雪も多いけれど、屋内はセントラルヒーティングで常にポカポカで、ほとんど車移動なので思ったよりも寒さに悩まされることは少ないようです。反対に北国育ちの妻は、徒歩3分の通勤すら「寒い、寒い」と文句を言っています。北海道育ちは意外と寒さに弱いのです。
  2. まだクマに遭遇してない:カナダと言えば熊!近くのトレッキングコースなどにも、熊出没注意の看板がたくさん立っています。周りでもちらほら熊との遭遇話を聞いたり。でも私たち限っては、まだ熊と対面したことはありません。今年は熊避けスプレーの使い方も学んだので、来年からはもっとキャンプやアウトドア・アクティビティでカナダの大自然を満喫したいです。ちなみに鹿にはあちらこちらでしょっちゅう会います。
  3. コミュニケーションがダイレクトじゃない:「英語、欧米=自己主張はっきり、ダイレクトに!」と言ったイメージがありました。確かに日本語よりは直接的な部分もあるかもしれませんが、カナダ人とのコミュニケーション、意外と相手もたくさん気を遣っていたり、控えめだったり。失礼にならないよう遠回しな表現を挟んだり、と少し日本人らしい感性にも似た部分がある気がします。そういうカナダ人とも多く会いました。自分も当初「はっきり伝えなきゃいけない」と必要以上に直接的だった言い回しが、四年半経って、場合に応じて柔らかい表現を使ったり、匂わせてみたりと、少しニュアンスを使い分けたりするようになってきた気がします。
  4. 食生活は順応する:ある時までは、とにかく日本の素晴らしい食文化が恋しくてたまりませんでした。特にケロウナはレストランの種類、質ともにイマイチ。そして内陸だから大好きなシーフードも期待できません。とにかく美味しいご飯が食べたくてしんどかった時期もありましたが、いつからかついに諦めこちらにある材料で色々工夫して自炊をするように。もちろん日本の本物の味には敵いませんが、それでもあるもので十分楽しみ、満足できるようになりました。食への執着が強い夫婦ですが、意外と順応していくものでした。
  5. 靴を脱いで生活する:ちょっと小さな発見ですが、思った以上にカナダのお家、みんな靴を脱いで生活しています。「欧米の家、イコール土足生」、というイメージでしたが、多くのお家で玄関で靴を脱ぎルームシューズなどを履いて生活していました。私たちの周りはそんな家族が多いです。皆さんのところはどうですか。
  6. バースデーパーティがやばい:子どもたちの豪華な誕生日会。映画などで見たことはありましたが、映画の世界と思っていました。ところがどっこい!映画以上に気合の入った誕生会の嵐。その規模感に圧倒され、自分たちの子どもの最初の誕生会はプレッシャーで押しつぶされそうに・・・2年目からは諦めてプロの手を借りることに。キッズ用の施設がさまざまなバースデープランを提供しているので、サクッとそこにお願いすることになりました。

こんなところでしょうか。もっとあった気がするのに少ないですな。

続いてカナダ生活、「思ったとおり(いやそれ以上に?)…」シリーズ。

カナダ生活「思ったとおり!いやそれ以上に!?」…

  1. 職場環境がゆるい:これはカナダの普段の様子から、想像どおり・・・いや想像以上でしょうか。まず、就業開始時刻過ぎにポツポツと出勤する同僚たち。そして、終業時刻ピッタリにはビルの外に飛び出していく。勤務中も、お茶を入れてはゆっくりお話ししています。コミュニケーションが大事だそうです。私もすっかり定時帰宅には慣れましたが、就業中は思ったとおり一生懸命仕事してしまう。頑張りすぎだよとよく言われます。病欠も有給もガンガンとってよし。リモートワークにも寛容で子育てとの両立がしやすいです。ライフワークバランスをしっかり守れるのは本当にありがたい。でも、勤務中はそこそこ、手際よくサクサクやりたいのです。
  2. 挑戦しちゃって(失敗しちゃって)大丈夫: これは一番強く感じ、自分自身も影響を受け始めたマインドセットかもしれません。とにかく、やらないよりやる方がよし、変えないより変化を起こすがよし、我慢するより声を上げることがよし、と言ったマインドセットを至る所で感じます。特に妻は、成功するかわからないことに人を巻き込んだ結果思うように成果が出ないといった状況をとても嫌がり、人を巻き込み新しいことに挑戦することに躊躇いがありました。思い立っても挑戦自体をしないこともしばしば。でも、結果がたとえ完璧じゃなくとも始めたことが評価されることに気づき始め・・・つい、日本基準だと色々高いレベルを求めがちですが、たとえ完成度が低くてもイニシャティブを持って何かを始めたこと、変化を起こしたこと、問題を提起したことがポジティブに捉えられます。この感覚は、今まで失敗は許されないと縮こまりがちだった妻のような人には、新しいことに恐れず挑戦する大きな追い風をなっています。ずいぶん積極的になりました。

3 年齢は関係ない:先の「挑戦に寛容」とも少し関連しますが、年齢での制限を感じなくなりました。もちろん、年金や退職後のことなど将来設計は必要ですが、進学しても転職しても、多くの同年代、または上の年代の人が新しいことに挑戦している姿を目にします。履歴書に年齢を書くこともなければ、普段の会話で年齢を聞き合うこともありません。まして、「もうこんな年だから」と何かを諦める人や、「もうそんな年なんだから」と誰かの挑戦を嗜める言葉も耳にしません。この点は、カナダのとても好きな文化の一つです。

4 ガンガン転職する:日本でもよく耳にしていた雇用の流動性。とは言え、”grass hopper” なんて言葉もあることから、転職回数にも許容範囲の限度があるのでは、と思っていました。しかし、さまざまな場所での経験は「許容」というよ、もっとポジティブに、「強み」としても評価される場面に多く出会いました。故に、転職までのスパンも早い。キャリアアップを目指す人は、どんどん次のステップに挑戦、決まれば「もっと良い機会が訪れたので」とわるびれもなく転職していきます。ようやくトレーニングが終わったと思った直後に離職していく人たちも多くいました。私たちの感覚ではまだびっくりですが・・・同時にしっかりとキャリアアップしていけるよう自分達のスキル磨きにも力が入ります。

5 カナダの政府はお金を出す:所得にもよりますが、決して高所得者でない私たちはカナダ政府からの金銭面でのサポートがとてもありがたい。まずは、子ども手当。しっかりともらえます。また、コロナ中は事業がストップしてしまい、多くの人が政府の補助金を受け取りました。乳児を抱え先が見えない中、本当にありがたかった。もちろん賛否両論はありますが、稼ぎを取り戻した今、しっかりと安心して税金を払いたいと思えます。

6 移民へのサポートが充実している:まだまだ知らないものもありますが、移民へのサポートが思ったよりも多くありました。政府からの資金で運営されている様々な支援プログラムや英語学習へのサポート。特に妻がNPOで移民・難民支援に携わり始めてからは、「こんなサポートもあったのか!」と新たなプログラムを知る機会も増え、改めて移民国家のサポート体制を実感することも多々。とはいえ、徹底的な周知や、それでも多くの移民が直面する雇用問題や住宅問題など、カナダが抱えるチャレンジもたくさんあります。移民国家としてどのような対策を取っていくのか、気になるところです。

7 子どもの適応は早い:「きっとあっという間に馴染むだろう」と思いつつ、それでもやはり少し心配だった子どもたちの現地生活への適応。特に、長女は2歳まで日本で日本語オンリーで育ててきたので、英語環境の学校に馴染めるか、ドキドキしていました。しかし、子どもの適応力は想像以上!もちろん、まだEAL(English as an Additional Language)クラスで英語の補助クラスにも通っていますが、学校の友だちからあっという間に英語での遊びを覚え、歌を覚え、授業では様々なストーリーを覚え、家で披露してくれます。最近は、私たちが日本語を教え、娘に英語を教えてもらうというLanguage Exchange を家庭内でしています。さらに、兄弟間での会話はすっかり英語メインに。長男はまだほとんど自宅にいるので、なぜ英語なのか不思議でしたが、姉と姉の友達から多くの表現を学んでいるようです。同時に、家庭ではできるだけ日本語もキープしたい親心。どうしていくのかまだ悩み中です。

8 平気で超長距離を車で移動する

広大な土地を誇るカナダ。意外とみんな長距離を平気で運転します。ママ友は一人で片道9時間の距離を運転してウィニペグを往復したり。友だち家族は子ども3人と犬を乗せラスベガスまで数日かけてドライブしたり(ただし、流石にこれはもうやりたくないとは言っていました)。思い出せば、私たちが買った中古車も、購入時にすでに23万キロ超えていた・・・そして、そんな私たちも、もうすぐ30万キロに到達します。そう、意外に長距離ドライブするし、車自体も乗れるのです。

以上がカナダで感じた「思ったとおり、いや想像以上に」そうだったあれこれでした。

おまけ。よく言えば適応とも言える私たち自身の変化。

「サービスに期待しない」やはりサービスの質・速さは日本とは絶対に越えられない差があるので、とにかく求めすぎないように。おおらかに、ゆったり構えるのが鍵のようです。

「旅行計画は緩くのんびりと」こちらも同様、長距離ドライブも然り、不測のアクシデントもたくさんあるので、詰め込みすぎずゆとりを持って・・・の精神になりました。

「娯楽施設に期待しない」人工的なものには期待しなくなりました。その分、ゆったりとした空気や大自然を楽しんで。

「Amazonに期待しない」届きません!全然プライムでもなんでもない。ほぼ、日程通りに来ません。いつか届いたらラッキーくらいの感じです。

「メールの返信に期待しない」最初の頃は、問い合わせへ返信がないと、「私の英語伝わりにくかったかな」などといちいち考えを巡らせていましたが、今や返信がすぐくれば「なんてちゃんとしてるの!」と嬉しい気分に。時たますごく迅速な人などに当たるととても幸運に感じます。そして来なければ来ないで電話したり直接凸したりすれば、「あーごめんねー」と言った感じでゆるーくでも一応対応してくれます。それでいっかと思い始めてます。

なんだか「期待しない」ばかりで一見ネガティブにも感じますが、私たちとしては気持ちは緩やかにハプニングを楽しめるようになってきつつあり、それなりに楽しんでいます。でもあんまり適応すると、ちゃんとした日本に戻れなくなっちゃうので、その辺は日本文化の良さもバランスよく保持したいものです!

以上、4年半の感じたこと色々をまとめました。いかがでしたか?他にもカナダ生活されている方、共通点ありましたか? カナダ生活などについて質問ある方は連絡ください。

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